第9章 久々に血が騒ぐわ…!
カタカタ…、ズル…、コトン…。
んん…?
なんだ…?
キュ…、シュルシュル…。
ひとの気配がする…?
ここは…どこ…?
「エニシ、起きろ。」
微睡の中で、不意に肩を揺すられて、はっ!っとなった。
目と首とを動かして、相手を確認して固まった。
「イタチ…?」
何でここに…?
鍵、は…。
あれ…?
私、昨日呑んでたんじゃ…?
「昨日のことを覚えてるか?」
怒りを含んだ声音で問われ、びくっとなった。
あれれ〜ん…。
私もしかして…いや、もしかしなくても…やらかした?
「昨日の最後の記憶を言ってみろ。」
最後…。
最後、は…。
「斬不斬さんと白とお酒呑んでて、おかわりして、その後…。」
ぷっつり切れてますがな…。
「…もしかして、イタチが運んでくれたり…?」
「今日は冴えてるな。」
「…それ、嫌味だよね…?」
「当然だろ。」
激おこですか…?
ずるずると重たい体を起こして体を丸めると布団に突っ伏した。
「…すみませんでした…。」
「分かっているなら何よりだ。今後は酒を呑みたければ俺のいる所だけにしろよ。」
え、イタチのいるエリア限定…?
何故に…?
身を起こして見上げると、イタチの目は不機嫌そうに眇められていく。
「返事は?」
「…あの…」
「返事は?」
「は、はい…。」
この約束の意味が分かりません…。