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もう一度、を叶えるために。second

第9章 久々に血が騒ぐわ…!




ってなことで、あれやこれやと作戦を立てた私達はその日は各自で休むことになった。

私達っつってもやるのはあくまで三人だけ。
斬不斬さんと白と私。イタチ達は見てるだけ。
にも関わらず、イタチ達の前で作戦会議を開いたのは知恵を借りるため。
イタチなら軍師に打ってつけなんだもん。
案の定、呆れられはしたけど、あーでもないこーでもないと色々知恵を出してもらって大助かりだった。
で、決行は明朝にしようということで話が纏まった。


「よし、寝るぞ!」

目覚ましセット良し。
武器の準備良し。
救急セット良し。

「全部OK。おやすみ!」

ばさっと布団を被って目を瞑る。



十分…。



二十分…。



三十分…。



………。



寝れん。



「はあぁぁぁ…。」

ダメだ…眠れる気がしない…。


「散歩っつってもなぁ…。」

さすがに南国といえど真冬。
夜に外へ出たらどうなるか分かるってもの。


「…お酒貰えないかな。」

寝酒。
こんな日はよく寝れるのよ。


私は髪を簡単に纏めて簪で留めると、ベッドから出て裸足で靴を履く。
こういう時、サンダルの方が良かったなって思うよね。
足がざらざらするのが嫌でブーツ履いてるの。

「さむ…。」

私はロングコートを羽織ると、そっと部屋から出て歩き出した。




色々な廊下をぐるぐると回り、玄関前に来ると、バタバタっと風でドアが揺れている。
海風って夜は強いものなのかな。
ここってすぐそこが見晴らしのいい港なんだよね。

今日は綺麗な三日月がよく見える。
玄関横の窓辺に寄りかかって外を眺めた。
漆黒の空には雲が一つもなくて、飾りのように星がちらちらと瞬いている。
海と夜空って絵になるよね。


「エニシさん?」

近くから白の声が聞こえて、外の景色から目を離す。
きょろきょろと左右を見回すと、前方方向に白が驚いたように立っていた。

「どうしたんですか?こんな時間に。」

「なんか、寝れなくて。何処かでお酒もらえないかなって思ってさ。ほっつき歩ってたらここまで来てた。」

「あなたは…。しょうがないお人ですね。斬不斬さんに貰いに行きましょう。」

「ありがと。助かる。」

先導するように歩き出した白について、私も歩き出した。

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