第9章 久々に血が騒ぐわ…!
「そこまでナメクジ姫に義理立てする必要があるのでしょうかねぇ。会得してしまったのなら、どう使おうが本人の勝手でしょうに。」
「いやいや、それは必要でしょう。だって綱手様は…。」
言いかけて、はた、と我に返った。
あれ、待って?
私、綱手様の名前は一回も…。
「…何で師匠が綱手様だって知ってるんですか?」
思わず目を剥いて鬼鮫さんを見たら、馬鹿にするような顔が返ってきた。
「寧ろ隠してたんですか、あなたは。却って抜忍になって良かったんじゃないですか?」
「むっか〜。否定はしませんけど、馬鹿にされたことは腹立ちますよね。」
こんちくしょーが。
けど、バレバレだったとは…。
今更ながら、綱手様が少し心配になるわ。
私のとばっちりがいかなきゃいいけど。
「とにかく。綱手様は私の家族のようなものなんです。大事な人との大切な約束なんで、破るわけにはいかないんです。」
そう答えたら鬼鮫さんはやれやれと肩をすくめた。
「既に”犯罪組織に関わるな”との約束は半分反故になっている気がしなくもないんですが。」
「多分、進んで犯罪に手を染めるなよ、っていうストッパーみたいなものと私は解釈しているので、極力関わらなければOKとしたいと思います。」
「いい加減ですねぇ。」
「そこは大体の解釈で。」
イタチが暁にいる以上は無理繰りよ。
「とりあえず、どうやってとっちめるかの作戦を立てましょ。」
私が話を切り替えると、みんなの顔つきが変わった。