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もう一度、を叶えるために。second

第9章 久々に血が騒ぐわ…!



「う〜ん…、何て言うのが正解かはよく分からないけど、私は個人的に医術が”必要”だったから会得したわけで。根っからの正義感で医者やってるわけじゃないのよね。進んで師匠の顔に泥を塗るつもりはないけれど、必要とあらば手を汚すことは厭わないし、奪った命には別段何も思うことはないよ。私は大事なものさえ守れればそれでいいと思ってる。」

薄情かもしれないけど、昔みたいにみんなが幸せに、とかは思わなくなった。
死ぬ奴は死ぬし、生き抜く奴は生きていく。
私は死ぬ奴の側にはなるつもりないし、生きていてほしいと思う人は自分の出来うる限りを尽くす。

「師匠との約束があるから医術を使って人を殺めることはしないけど、それ以外の手段だったら全然OK。だから、それは最大限に利用するつもりでいるよ。」

白にそう答えたら、困ったような悲しいような複雑な顔になってしまった。

「…ごめん、幻滅した?」

無条件に優しい人って思ってたんなら、何だか悪いことしたな…。

そう思ったんだけど、白は「いいえ」と返してきた。

「僕もこの世界に身を置いているので、エニシさんの考えは少なからず理解できます。僕も敵と定めたものに容赦する気もありませんし、”命の大切さを”…などと甘いことを言う気もありません。
エニシさんを慈悲深い方だと思っていたことは否めませんが、幻滅などしません。見誤っていた僕にこそ問題がありました。すみません。」

「いや、謝ることじゃないから大丈夫だよ。」

成熟してるわ…。
齢十七歳。本当に年下かしらと疑っちゃうよ。
私は苦笑するしかない。

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