第9章 久々に血が騒ぐわ…!
本当に、そう時を置かずしてイタチが帰ってきて内心驚いた。
聞いてみたら、鬼鮫さん達が帰ってきたことに気づいたんだそう。
なんてハイスペック!
わたくしには真似できませぬ…。
イタチが来たことで、改めて情報共有をしようということになった。
「それで、どうなったんだ?」
「海凪亜門からは人手を借りて、既にアジトである連絡経路を一つ潰してきましたよ。」
「友好の証だとよ。これで多少派手に暴れても奴に情報は渡り辛くなっただろう。」
「そうか。ならば多少取り逃すのは覚悟の上で、この区域を一挙に攻めて捕えるのも有効かもしれないな。」
おっと?これは久々に暴れられるチャンスなんじゃないの?
イタチと鬼鮫さん、斬不斬のやり取りを聞いてるとうすうずとしてきた。
最近は、暗部の襲撃も鳴りを潜めてきていて、実戦の機会がとんと減ったんだよね。
こういう時、やっぱり自分の中には戦闘民族の血が流れてるんだなぁって実感する。
「で、どうします?」
「何でてめぇは楽しそうなんだ?こら。」
「いや〜、わくわくが止まらなくって。」
「今から人を殺そうって時にわくわくするって、頭のねじがイカれてるとしか思えませんね。」
「…別に殺す必要はないのでは?」
っていうか、鬼鮫さんに言われたくないよね…。
でも、私の返しに怪訝な顔をする鬼鮫さん。
「殺さずしてどうやって仕留めるので?」
「普通にロープかなんかで縛って転がしておけば?」
「そんな手間のかかることを三人でやるってのか?」
斬不斬さんからも言われて「あぁ」と思い至った。
「そう言われてみればそうですね。」
喧嘩しようってのとはわけが違うんだった。
「…お前、入らない方がいいんじゃねぇか?」
「いいや、入ります。」
斬不斬さんから言われたけど、引っ込む気はないね。