第9章 久々に血が騒ぐわ…!
「そもそも、あなたの方がイタチさんと一緒だったんじゃないですか?」
う…。痛い所を突かれた。
実は、一昨日。海辺での散歩の後、ふわふわした頭でイタチと別れたから、今イタチが何処で何してるか全く知らない。行き先聞くのすっかり忘れてたってのもある。
バカよね、私…。
完全に脳内お花畑だったわ…。
呪印があるから調べようと思えば調べられるんだけど、緊急性が低いのにそれ使うのもなぁと思って使ってない。
ってか使えない。いざって時に見破られそうだし。
「…何かあったんですか?」
鬼鮫さんから質問を重ねられて益々口籠もりそうになったけど、ぐっと堪えた。
だって、変にまごまごすると揶揄われそうなんだもん。
一昨日のあれは答えが出てるしね。
私は、頭を切り替えて淡々と首を振る。
「何もないですよ。イタチには行き先聞いてなかったなぁと思って。元気ならそれでいいんです。」
鬼鮫さんはほんの少し探るような目で私を見た後、少し肩をすくめた。
「イタチさんなら、我々が帰ってきたことに気づくでしょうから、待っていればその内来るのでは?」
「そうですね…。んじゃ、気長に待つことにします。」
私も同じように肩をすくめて笑い返した。