第8章 暁に依頼します!
「それくらいの橋渡しはしますよ。でなければ何の為に案を出したのか分からないじゃないですか。」
「すんません。前世であるあるなトラブルだったんで、つい。」
よくあったんだよね。
部活の助っ人やることよくあったんだけど、いざ行ってみたら「聞いてないよ〜」っていい顔されなかったってこと。
「あなたと一緒にしないでもらいたいですねぇ。私はそんな間の抜けたことしませんので。」
「相変わらずひどいですよねー。私だってしませんー。」
失礼だわ。
ま、とにかく。あとは斬不斬さんの気持ち次第ってことで。
私が斬不斬さんを見上げると、気難しそうな顔が返ってきた。
「…てめぇは、この未来を知ってんのか?」
私は素直に首を横に振る。
「いいえ、海凪亜門も沖凪夜志も知らない人物です。よって、どう転ぶかは未知です。ただ、勘で言わせてもらえれば、会ってみる価値はあるんじゃないかなぁとは思いますよ。」
にっと笑うと、あからさまに嫌な顔された後「はあぁ…」とため息をつきながら、ぐしゃっと前髪と一緒に頭を抱えてしまった。
「…てめぇの勘ほど頼りないものはないと思うんだがな。…まぁ、ここでじっとしてるよりかはいいんだろう。」
……?
よく分かんないけど、何か不安でも抱えてたんでしょうか…?
私をそっちのけに、斬不斬さんは白を見る。
すると、白も真っ直ぐに斬不斬を見上げて頷きを返した。
それを見て斬不斬さんは鬼鮫さんに向き直る。
「…その話、進めてくれ。」
斬不斬を見た鬼鮫さんはニヤリと笑う。
「いいでしょう。では、出かけますよ。」
鬼鮫さんが言うと、斬不斬さんは立ち上がって準備を始めた。
「二日ほど時間を貰います。」
鬼鮫さんがイタチを向くと、イタチは横目で見たあと頷く。
それを合図に鬼鮫さんは立ち上がり、斬不斬さんと出かけて行った。