第8章 暁に依頼します!
そんなこんなで三日後の昼過ぎ。
イタチと鬼鮫さんが訪ねてきた。
「これが依頼してきた者の情報だ。今回の依頼は主に四人で出したらしい。」
なになに?え〜っと…。
…ウルマ?って誰?
イカル、アイガ、フナリ…。
他にも残党として一纏めにずらっと名前が並ぶけど、全く知らない。
「二人が知ってる名前あります?」
斬不斬さんと白に書類を渡すと、上から下まで目を通して首を捻る。
「ワラジ、ゾウリ…くらいか。」
「そうですね。あとは聞いたことがありません。」
「大黒天善という名を聞いたことがあるか?」
誰それ…?
イタチの問いに首を捻りながら、隣の二人を見たら「あぁ」と納得していた。
「ふん…。遂に出張ってきやがったか。」
「あれが裏で噛んでるなら厄介ですね。」
「え゛、そんなに強い奴なの?」
よりによって強敵なの?
手こずるかしら。
「いえ、実力で言えば取るに足らない奴ですが、水の国で大名の側近をしている政治家なんです。裏の顔は大盗賊団の棟梁で裏社会に顔が効くので、そういう意味で厄介なんですよ。」
「うげえ〜…。」
白の説明に顔を歪める。
わらわら人数がいる相手ってやりにくい…。
「あれ?…ってことは簡単な話じゃなくなってきてたりする?」
「ぶっ潰して終わりじゃねぇな。」
「やっぱり?」
斬不斬さんの言葉に肩を落とした。
うーん、どうしよう…。