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もう一度、を叶えるために。second

第8章 暁に依頼します!



「…クーデターが成功したかもしれねえのに、てめぇは諦めたのか?」

斬不斬さんの声に、ふっと思考が途切れた。

クーデターが成功…?
そんな事微塵も思ったことなかったなぁ。

「うーん…。クーデターって、しっかりした地盤があって、相手を余裕で上回る力があって初めて成功だと言えると思うんですよ。」

「てめぇは喧嘩売ってんのか?あ?」

「いやいや、違いますって。あくまで持論ですって。」

斬不斬さん、クーデター失敗を引き摺ってるのかしら…?

「クーデター起こして成功したとして、武力行使した人間に屈した人間がついてくるとは思わない。クーデターに賛同してくれる人が大勢いなけりゃ後々が難しいと思います。」

二人は黙ったまま。

「全面戦争になったとして、里相手にただで済む筈ないし。仮に勝ったとしたら、生き残りうちは一族だけ。だったら初めから外にうちはの里作ったって結果は同じようなものじゃないですか。」

「…全く違うと思うんだがな。」

「そうですか?」

結果、里を作ればそこではうちは一族だけになるじゃん。全面戦争でうちは一族だけになるのと何が違うの?

「まぁいい…。それで、木の葉に頼らねぇのは何でなんだよ。」

あぁ、そういえばそういう話だったね。

「兄を殺した奴を赦している里が嫌いだからです。」

「…はあ?」

「綱手様は好きですよ?シズネさんだって。ナルトだって、カカシさんだって…。」

暗部でよくしてくれた先輩達、シカクさんやテンゾウさん、紅さん、ライドウさん、アンコさん…。
みんな好きだよ。

「だけど、一族を殺されたことは忘れられないし、兄をあんな目に遭わせた”犯人”を恨んでる。だから、助けなんて請いたくないんです。」

そう締めくくって、温くなったお茶を一口含んだ。
ふぅ、おいしい。

二人はといえば、若干ちーんと沈んだご様子…。
いや、ほんと気にしないでいいよ。
こんなぶっちゃけといてなんだけど。

ちょっと困っていたら、斬不斬さんが動き出し、「ふん」と笑い飛ばした。

「エニシさんも色々とご苦労なさったんですね…。」

「一見すると極楽蜻蛉にしか見えねぇのにな。」

「失礼過ぎますー。」

誰が極楽蜻蛉よ!

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