第8章 暁に依頼します!
「ご馳走様でした。」
手を合わせて言ってから、お茶を啜る。
はあ〜満腹満腹。
斬不斬さんと白も食べ終わり、みんなで一息ついた。
「おい。」
不意に斬不斬さんから声がかかり、「はい」と返事をしながら向く。
「お前、何でナメクジ姫を頼らねえんだ?」
「別に頼らないことないですよ?お金借りようとしてたくらいだし。」
「そういうことじゃねぇよ。火影に立ったんだろ?つまり、木の葉に頼ろうと思えば頼れるんじゃねぇのかよ。」
「そういえば、木の葉の力を借りること嫌がってましたね。」
あぁ、そうか。
普通はそういう方向にいくか。
ま、そりゃそうか。
家族同然の綱手様が火影になったんなら、私の抜忍としての罪なんてあってないようなものになる。
けど、綱手様は大事だけど里とは関わりたくはない。
「う〜ん…。一言で言うと難しいんですが。」
「順を追って話せ。てめぇは話を端折ると要領を得なくなる。」
わお〜、そんなはっきりと…。
でも確かに訳分かんないってよく言われるかも。
「順を追って、か…。どこから話したらいいのやら。」
「千手綱手さんとはいつから旅をしていたんですか?」
白からの問いに私の脳裏に兄ちゃんと別れた夜がちらついて、少し目を伏せた。
「そもそも…綱手様に会ったのも偶然だったのよね。」
「偶然?」
「そ、偶然。暗部に追われてる中で逃げ延びた先の町にいたの。」
「その時に里抜けしたのか?」
「したくてしたわけじゃ、なかったんですけどね…。あの時…」
当時の一族の状況や置かれた立場。
兄ちゃん達と足掻いたこと、うちはの里興しのことやその顛末。
その結果自分の身に起こったことと兄ちゃんとの最期の夜のこと。