第8章 暁に依頼します!
「いらっしゃい!お、エニシちゃんじゃないか!」
「あら、エニシちゃん来たの?いらっしゃい!」
大将と女将さんのお出迎えに、ぺこりと頭を下げた。
「ご無沙汰してま〜す。お邪魔しま〜す。」
「まぁまぁ、社長と副社長まで!いらっしゃい!ささ、上がって〜。お座敷でいい?」
「はい、お願いします。」
ずるずると斬不斬さんを引きずりつつ案内を受け、その後ろには苦笑しながら白がついて来る。
「今、丁度落ち着き始めたとこなんだよ。好きな物頼んでね〜。」
そう言って、女将さんがお茶を配り、メニューを広げてくれる。
「ありがとうございます。今日、海鮮丼ってまだありますか?」
「あったかねぇ…。ちょっと確認してくるよ。お二人はお決まりですか?」
「僕は白身魚の天ぷら定食で。」
「…天丼。」
「あ。あと、クリームあんみつも確認してもらっていいですか?」
「はいよ。じゃあ、確認してこようね。お二人の注文、承りました。」
女将さんは答えてから、パタパタと席を立って行った。
それを見送ってから前を向いたら、一瞬吹き出しそうになった。
だって、苦い物か不味い物でも食べたような変な顔してるんだもん。斬不斬さんが。