第8章 暁に依頼します!
「…半分は俺達が出す。」
「え、悪いからいいですよ。」
言い出しっぺなんだし、責任は自分で取りますよ。
そう思って断ったのに、すっごく嫌な顔をされた。
「お前なぁ…。俺達の問題なのにてめぇにおんぶに抱っこなんて出来るわけねぇだろうが。」
「おんぶに抱っこ…?かなぁ?」
私としては気に入らない問題を解決したに過ぎない。
場合によっては、私が勝手に首突っ込んだだけのような?
「くくくっ。あなたは本当に可笑しな人ですねぇ。それにしても、忘れていませんか?私達はまだ”依頼を受ける”とは言ってないのですが。」
「え、依頼料で優先順位が決まるって言ってませんでした?」
「金額があなたの方が上である証拠は何もない。」
「え゛…。まさかそれ以上出してきてるんですか?」
やば…。最初に倍額提示したのはまずったかな。
鬼鮫さんは意地悪そうに笑うばかりで答えをくれないし。
「…いくらだったら受けてくれます?」
「そうですね…。六十万は…」
「値上げは俺が許さない。受けるのなら四十万両だ。」
イタチがすかさずばっさり切り捨て、鬼鮫さんはつまらなそうに肩をすくめた。
え〜っと…つまりは?
困りながらもイタチを見ると、じとっと睨まれた。
「本当にお前は…。大人しくしていられないのか?」
何の話だろう?
料金の話?今の交渉のこと?
「え〜っと…ごめん?」
取り敢えず、心労をかけたことは理解できたから謝ってみた。
そしたら、これ見よがしに眉根を寄せて米神を揉み始めてしまった。
「暫く席を外すから、ここで大人しくしていろ。くれぐれもここにいるんだぞ?」
「え、そんな念を押されるほど?」
「返事は?」
「はい…。」
…イタチの中で私はどういう扱いなんでしょうか?
私の返事を聞いたイタチは鬼鮫さんと一緒に部屋から出て行った。