第8章 暁に依頼します!
う〜ん、困った。
そうなると他を当たるしかないな…。
「イタチ、今の依頼ってどのくらい一時停止出来る?」
「…今度は何をする気だ?」
イタチは眉を僅かにひくつかせて私を見る。
「師匠の当てを幾つか当たろうかなと。それが出来なきゃ…。」
「それが出来なければ?」
「師匠に頼みに行こうか…。」
でもな〜…。
現実的じゃない気がする。
「そうなると、”木の葉から上忍を”って話になりそうな予感がする。」
うわ…、考えただけで面倒だな。
「取り敢えず、師匠に直に借りる方向でいこうかな。」
「…諦めるってことを知らねえのか、てめぇは。」
「生憎と諦めが悪いのが私の長所でして。」
「欠点の間違いだろ。」
「粘り強いって言ってくれません?」
「粘りが強すぎるんだよ。」
斬不斬さんは言いながら目頭を押さえてしまう。
私達のやり取りを見ていた白は、ふぅとため息をついた。
「斬不斬さん。」
「…何だよ。」
「出しましょうよ。エニシさんを金策に走らせるのは気が進みません。そんなことさせるくらいなら出した方がいいんじゃないでしょうか。僕も斬不斬さんを鬼鮫さんと戦わせたくはありません。」
「…俺が負けると思ってんのか?」
「いいえ。けれどただでは済まないとは思っています。エニシさんが控えているとは言えど、血を流す斬不斬さんを僕は見たくありません。」
それを聞いた斬不斬さんは、苦い顔で舌打ちする。
「避けて通れるのであれば、避けて通りたいと僕も思います。」
白の一言が効いたらしい斬不斬さんが大きくため息をついた。