第8章 暁に依頼します!
ちっ、ちっ、ちっ。
「分かってないですね。”暁”に依頼がきたんですよ?例えば鬼鮫さんを突破出来たところで次の刺客が送られてくるに決まってます。」
「おや、偶にはマトモな事を言うのですね。」
「一言余計です!」
ったくも〜!
「まぁ、小僧に殺られることはありませんがね。」
「ほざけ。」
「まぁまぁまぁ。ちょっと落ち着きましょ、ね。」
またバトル勃発の予感。
な〜んでこの二人こんなに仲が悪いんだろ…。
「とにかく、金で片付くなら万々歳。逆にとって喰っちまえば楽勝〜って話です。」
「…お前、返せるアテはあるのか?」
イタチの問いに頭の中でそろばんを弾いて返済計画を立てていく。
「医者のバイトを詰め込めるだけ詰め込もうかなと。多分一年半で完済かな。」
鬼鮫さんがしらっとした目を向けてくる。
「…利息を忘れていませんか?」
「エニシさんに利息なんて僕が許しませんから。」
鬼鮫さんの言葉に、白がつんと澄まし顔で頼もしいことを言い切ってくれた。
さっすが参謀!頼りになる〜。
「白、ありがとう〜。助かる。」
私達のやり取りを斬不斬さんはイライラと見ていた。
「お前らな、大前提からして違うんだよ!俺は出さねぇぞ。コイツに払う金なんか鐚一文もねぇよ。」
「え、えぇ〜…。」
「斬不斬さん…。」
何でそうなる…。
白も苦笑いだ。
「何でそんな仲悪いんですか?」
「気に入らないからだ。」
「気に入らないからですよ。」
…ハモった。
「本当は仲良かったり…」
「あ゛あ゛?」
二人共がおっそろしいお顔を向けてきて、めっちゃびびった。
「…さーせん。」
地雷っぽいな。何でか知らんけど。