第8章 暁に依頼します!
私と白が微笑み合っていると、はぁ、と鬼鮫さんからため息が溢れる。
「まぁ、いいでしょう。次は私達の番ですね。」
鬼鮫さんがイタチを見ると、小さく頷いてからイタチが私を見た。
「暁に依頼が入った。内容は斬不斬と白の抹殺だ。」
「…会社を潰せ、じゃあないのね。」
「そうだ。」
「その依頼料を聞いてもいい?」
つい昨日、私達はガトーの子分を放頓したばかり。心当たりがありすぎる。
「…聞いてどうする?」
「今、売上金約二十万両が横領されて無くなってるの。もしかしたら…。」
その二十万両が依頼料で出てるんじゃない?
言外にその言葉を乗せて、探るようにイタチを見ると極僅かに目が揺れる。
当たりかな…?
ここはいっちょ、綱手様に倣って賭けてみますか。
「斬不斬さん、お金貸してくれません?」
私は斬不斬の方を向くと、怪訝な顔が返ってきた。
「三十…いや、四十万両。一括で貸してもらえませんか?」
「はあ…?」
何する気だ、って?
こうするのさ。
「私、うちはエニシは暁に依頼します。内容は、その依頼の取り消しと、依頼をかけてきた奴の情報、更には繋がりのある奴の情報の開示です。」
「まさかとは思うが…。」
イタチと斬不斬さんの顔が引き攣った。
「依頼料は四十万両で!」
「馬鹿も休み休み言えよ、てめぇは!」
「イテっ!」
酷い…。またはたかれた。
「いいじゃないですか〜!斬不斬さんと鬼鮫さんがバトルするよりずっといいじゃない。金で解決出来るなら私は金を選びます。」
「俺がこいつを殺せば済む話だろ。」
ちっと舌打ちする斬不斬さん。