第8章 暁に依頼します!
それを見ていた斬不斬さんが疲れたようにため息をついて、がしがしと頭を掻いた。
『…連絡手段ならある。手を出せ。』
私が何の躊躇いもなく手を出すと、綱手様からは頭をはたかれ、シズネさんはわたわたと焦り始めた。
『馬鹿なのか、お前は!!』
『え、何が?』
『何をされるかも分からないのに手を出したら駄目じゃない!!』
え、そうかな…?
『この人多分、真面目な人なんだと思うんだけど…。』
『俺が言うのもなんだけどな…。さすがに隙があり過ぎるんじゃねぇか?』
『えー、斬不斬さんまで?これでも人並みに警戒心はあるんだけどなぁ。』
『はあぁぁ…。めんどくせぇ、話が進まねえ。いいから黙って手を出せ。』
え、今さっき黙って手を出したのにそれ言う?
まぁ、いいけどさ。
私が左手を出すと、その手を少し乱暴に取られて甲に手を当てられた。
ぴりぴりとした痛みと共に円形の複雑な模様の入った刺青が施される。
『これって…?』
『呪印だ。』
これが呪印か!!
『…何で呪印植えられて嬉しそうなんだ、てめぇは。』
『いや、改めて私この世界に生きてるんだと思いまして。』
『訳が分からねぇよ。…まぁいい。それはこいつと対になる。』
ボンっと出てきたのはかなり大きめの鷹だった。
かっけえぇ〜!
『あれでも…この呪印と対ってことは、この子は私専用ってことですか?』
いやん、なんだか照れるわ。