第8章 暁に依頼します!
イタチ達といた所が湯の国の中間辺り。
波の国は目と鼻の先だった。
「確かここを左に、と…。見えた!」
ここは元ガトーカンパニーでございます。
でも今は大富豪だったあのクズがいるわけじゃあござーせん。
誰がいるかと言うと…
「ハロー!呼ばれて飛び出てジャジャ…」
「毎度てめぇはうっせーんだよ!」
「あイター!」
超人相の悪いこの人、桃地斬不斬さんです。
「斬不斬さん、落ち着いてください。この方は言ったところで無駄ですから。ゴミを投げないでください。」
そう言って転がった空き缶を拾う美少年。
「やっほー!ゆっきー、今日も美人だね。」
「ハクです。エニシさん、着くのが早かったですね。」
相変わらず、華麗なまでのスルーですな。
「丁度近くにいたからさ。ちょっと今手が離せなくて、なるべく急いで戻らなきゃならないの。で、どうしたの?」
「それが経営に行き詰まりを感じてまして。数字も右肩下がりですし、今のうちに修正をかけないと来年はもっと下がるかと…。」
困ったように苦笑するこの美少年は白(ハク)。
斬不斬さんが実子のように可愛がってる雪一族の子。言わずと知れた結界限界を持つ天才君だ。
「なるほどね…。とりあえず帳簿の確認から取り掛かりますか。」
「お願いします。」
よっしゃ!
本腰入れてかかりますか!