第8章 暁に依頼します!
更に数日後。
私のもとに、伝書鳩ならぬ伝書鷹が降り立った。
忍鳥を伝言に使う人は一人しか思い当たらない。
中を開いてみると…
「…あぁ、やっぱり。」
言わずと知れたあの人からの”SOS”。
本当にまんま、教えた通りに”SOS”と書いてある。
これを送ってきたのは、きっとあの子だわ。
傍でそれを見ていたイタチを見て、私は両手を合わせて頭を下げた。
「ごめん、ちょっと呼び出されたから行ってくる。」
「あぁ、それは構わないが…。」
何処へ行くんだ?って話かな?
「波の国に知り合いがいてね、助っ人がほしい時には呼んで、って言ってあって。それがこれなんだ。」
私は鷹から受け取った紙を二人に見せる。
「これは…暗号ですか?」
「SOS。助けてってサインです。」
私は紙をしまうと、イタチに向き直る。
「とにかく急いで行って帰ってくるから。その間無理しないで。」
「大丈夫だ、問題ない。お前こそ、少しゆっくりしてくればいい。」
「ううん、心配だから最短で戻って来れるようにするから。」
半ば詰め寄るように言うと、苦笑が返ってくる。
「分かった分かった。気をつけて行けよ?」
「うん。…じゃあ、行ってくるね。」
今度は鬼鮫さんの方を向く。
「イタチをよろしくお願いします。」
「あなたも過保護ですねぇ。」
面倒そうに手を振る鬼鮫さんに頭を下げてから、イタチに手を振って走り出した。