第7章 お宝探しにご同行〜
「はい。傷を診ますから見せてください。」
今度は鬼鮫さんも黙って座る。
そこにはパックリと割れた傷口があり、黒いローブの襟口が血を含んで濡れていた。
掠っただけでこれはかなりの威力だ。
鬼鮫さんの傷口に手を当てて意識を集中する。
細胞、神経、骨組織、筋組織…
「よし、出来ました。」
「…成程ねぇ。これは確かに価値はありますねぇ。」
「いい腕でしょう?」
「えぇ、お陰で楽になりましたよ。」
お、珍し…
「腕だけは確かですねぇ、他は問題外ですが。」
「…うん、台無しだね。」
一言多いっつーに。
分かってて言ってんだからタチ悪いよねー。
「ったく…。イタチはどう?怪我してない?」
イタチに目を向けると、首を振った。
「俺は問題ない。」
「ほんと?どこも痛いとこない?」
イタチはすぐ隠すからなぁ。
そう思ってたら、くすくすと笑われた。
「後で治療するんだろう?なら嘘をついたところで意味はない。」
ってことは、嘘じゃないってことだ。
「そ?ならいいんだけど。」
無事で良かった。
私はイタチに笑顔を返した。