第7章 お宝探しにご同行〜
「はあ〜、危なかった!」
直に戦闘にならなくて良かった。
アスマさんにカウンター出来たのが良かったね。
あの二人に手加減とか無理無理。
「さてと。」
私は左手を出してバルブを少し開ける。
「…うん、そんなに離れてないね。」
これなら追いつけそうだね。
私はさっき外へと出しておいたリュックから脱いだコートと手袋を装着する。
「よし、行くぞ。」
私はリュックを背負い直して走り出した。
小さな町の手前を歩いていた二人を見つけたからその近くに降りた。
イタチが気づいてこちらを振り向いた。その顔には少し安堵したような微笑が浮かんでいる。
イタチの変化に気づいた鬼鮫さんがこっちを向く。
「無事だったか。」
「おや、生きていましたか。」
にやっと意地悪そうに笑う鬼鮫さん。
…開口一番これだよ、どう思います?
「丁度良かったですねぇ。これ治してくれません?」
そう言ってうなじ辺りを指差す。
「そう思うんなら『無事で良かったね』くらい言っててくれません!?」
ったくも〜!
「自ら突っ込んでいった人にかける言葉があるとでも?」
「うわー…。」
思いやりの欠片ゼロ。
「それと、忘れているようですが。これは歴とした契約ですよ。あなたは救急箱としてここにいるんですから、役割を果たすのは当然じゃありませんか?」
「そうですね、正論ですね、でも労りの心は必要だと思いますが?」
「私には必要ありません。」
「もう平行線過ぎて言葉がありません。」
私はため息をついて切り替える。