第3章 久方ぶりの里帰り1
何処に連れて行くのだろうと思いながら後をついていくと、カカシ先生は少し考えた後、
「一楽でも行くか?」
と聞いてきた。
「もちろん!」
私は考える事なく答えた。
だって一楽だよ、一楽!
何を隠そう、私はラーメン大好き人間だ。
さすがにナルトみたいに三食ラーメンはお断りだけど、これっていうご褒美に一楽でラーメンを食べるのが私のスタンスだった。
ナルトを探しに行こうとは思っていたけど、一人で入るのはいくらなんでもねぇ、と思っていたから一石二鳥だ。
ラッキー♪
「へい、お待ち!こっちがネギ塩で、こっちが醤油だよ。」
待ってました!
この食欲をそそる香りに、増し増しにした具沢山の野菜。
箸を入れると、ぶわっと立ち上る湯気!
一口入れると…、
「うっま♪」
笑っちゃうくらい美味い。
ネギ塩最高♪
絶対箸止まんなくなるよ。
「よかったな。」
夢中で食べてたら目の前に座ってたカカシ先生に笑われた。
あ、よく考えたら、黙々と勢いよく食べるとか、女子にあるまじき行為だったかも。
ちらっとカカシ先生の方を見ると、器の中身は空だった。
…うん、知ってた。
この人早食いだったわ。それも目にも止まらぬ早さで。
顔を見ると、綺麗にマスクが直されている。最初から外してなかったんじゃなかろうか?
っていうか、実はマスクの下を拝めるチャンスだったんじゃ…?
だって、今私は里の外の人間の設定だし。
赤の他人には普通に油断してたかもしれないし?
「…しくったわ。」
自分の愚鈍さに思わず天を仰いだ。
っていうか、二度目だね…。はぁ…。
「どしたの?」
「いや、何でも…。すぐ食べきるんでちょっと待っててください。」
「ゆっくりでいいよ。」
そんなやり取りをしつつ私は再び箸をつけた。