第7章 お宝探しにご同行〜
「いざ尋常に!勝負!!」
避ける前提で、真っ直ぐに拳を打ち込んだ。
ドゴオォォォン!!
予想通り肉を潰す感触はなく、内心ほっとする。
が、私が香炉もろとも地面を潰したことで、仕掛けが崩れて辺りは暗闇に包まれた。
足元はどこもガタガタになり、大きな瓦礫が剥き出しになってるから隠れ蓑は多い。
「惜しいなぁ。こんだけ強く成長してりゃあ上忍も目じゃないだろうに。」
声だけが近くから聞こえて、私は写輪眼に切り替えた。
本当は円を使いたかったけど、接近戦で不利になるから使えない。もうちょっと肉眼のブレを修正できれば両立が出来るんだけどね…。
「エニシ、木の葉に戻って来い。」
…全くの親切心から出た言葉なんだろうけど、今の私にはその言葉は逆効果になる。
「お断りします。」
ぐらぐらと血が沸き立つように目が熱くなる。
ギリギリと歯を鳴らすように奥歯を噛み締めた。
ダメよ。
シカクさんは何も知らないんだから…。
落ち着いて。
冷静に。
シカクさんを殺したくはない。
「私は…木の葉には戻らない。」
あのクソ野郎が…ダンゾウが生きてる限り。
里には従属しない。
クソ野郎を守ることが木の葉の総意なら、
「里なんていらない。」
光が一切ない真っ暗な中、私の写輪眼はシカクさんを捉えた。
私は真っ直ぐに体をそちらに向ける。
シカクさんもそれが分かったのか、しゃがんでいた体勢から立ち上がった。
「どうしても、か?」
「はい、どうしても。」
これは譲れない。
譲らない。
私は…
私から兄ちゃんを奪ったあいつが、
死ぬほど憎い。