第7章 お宝探しにご同行〜
少しして、イタチが降りて来てくれた。
良かった…。
ちょっとほっとした。
「エニシ、その中から卵を取り出せるか?」
ここから?
でも…
「罠が発動するんじゃ…。」
「解除したから大丈夫だ。」
「上で解除できたの?」
「あぁ。万が一、発動しても俺がいる。」
イタチがそう言ってふわっと笑うから、釣られるように肩の力が抜けた。
「…そっか。ふふっ、頼もしいね。」
私は香炉を覗き込むように体勢を低くして、念の為に写輪眼に切り替える。
すぐに異常を察知出来るようにしとかなきゃ。
そして、そぉっと手を伸ばして卵を掴んだ。
まだ、何の異常もない。
なので、そぉっと持ち上げてみる。
異常なし!
「取れた…!」
私はぎゅっと握り込んで胸元に押し当てるように守り込む。そして、足元に注意しながら片手で側転して下に降りた。
「見てみて!取れたよ!」
待っていたイタチに見せると、満足そうに笑って手に取った。
「綺麗だな。材質は…木か。」
「重さからいって木かなって私も思う。重ね重ね色を塗りこんであるからよく分からないけど。」
本当に綺麗にムラなく下地が塗られてて、金の塗料がぷっくりなるくらいに何度も重ね書きされてるの。
気の遠くなるような作業だったろうね。
細かな筆使いで、繊細で華美でそれでいて絢爛。
「このまま貰っちゃいたいくらい綺麗だね。」
一種の芸術だと思う。
「全て解き終わったら手に入れても構わないだろう。」
「ほんと?これ欲しいな。」
「鬼鮫にも言っておかないとな。」
やったぜ!
「んじゃ、最後の謎解きにいきますか。」
「あぁ。」
私達は互いに笑い合って、上へと上がる。
おっと。荷物を忘れずに、と。