第7章 お宝探しにご同行〜
「イタチ、イタチ!」
こっちを向いたイタチに情報を幻術にして渡すと、少し目を見開いてから、ふっと笑顔が溢れた。
「ね、すっごい綺麗でしょ?」
「私にも見せてください。」
鬼鮫さんに言われたから、そっちを向いて彼にも情報を渡す。
「ふむ…、便利ですねぇ。こんな使い方があるとは。」
「こんな使い方をするのはエニシだけだ。」
「写真代わりだよ。口で説明するより見せた方が断然伝わるし。」
百聞は一見にしかず、なんて昔の人は上手いこと言うよね〜。
鬼鮫さんは私には気にも留めずにイタチの方を向く。
「ところで、これの真ん中にあった卵の様な物、気になりませんか?」
「そうだな…。何か意図があるんだろう。上を調べてみるか?」
「そうですね。見たところ対になっているようですし。」
なになに?
何やら二人で話を進めてるし。
と思ったら、二人が揃ってこっちを向く。
「エニシ、そこでじっとしていろ。」
「中を触らないでくださいね?」
「…子どもじゃないよ?」
ちょっと失礼だよね。
私だってそこで待ってて、って言われれば黙って待ってるし。
「似た様なものでしょう。」
「か〜!一言多い!!」
「言われるあなたが悪いんですよ。」
むっか〜!
「エニシ、落ち着け。暴れるんじゃない。」
「まだ暴れてない!」
「やりそうだぞ?」
「イタチまで〜!」
もう!
怒ったら、イタチが面白そうに小さく笑う。
「迎えに来るから。それまで動くんじゃないぞ?」
そう言って、優しい笑顔を残して鬼鮫さんと上へ上がって行った。