第7章 お宝探しにご同行〜
はあ…、まぁいいや。
「気になったんだけどさ、ここを作った人ってもしかして、忍を兼業してたお坊さんだったりするのかな?」
「どうしてそう思うんだ?」
「う〜ん、この仏像の材質と最初に包まれてた岩の形が何だか気になってさ。ほら、小籠包みたいな包み跡があったじゃない?」
「確かにあったが…。」
イタチは少し訝しげに首を捻る。
不可能って思ってそう。
「これがもしチャクラ石だったら可能かなぁって思うんだけど。」
そういって、ペタペタっと仏像を叩く。
「で、そこまでしてこれを隠したのは、他にもこれに忍ならではの仕掛けをしてるからかなぁって。」
「あぁ、なるほどな。」
「ふむ…、いいところに目をつけましたねぇ。」
イタチは意外そうな顔をして、鬼鮫さんはニヤリと笑う。
ふふん♪やるでしょ?私。
そこで、と。
リュックを下ろしてガサゴソと中身を漁る。
確か、武器用の巻物の中に…。
あったあった。
ぼん!と取り出すと出てきた五枚を二人に見せる。
「じゃーん!忍遁札〜!」
「ふむ、試してみる価値はあるな。」
「でしょでしょ?」
これをこの仏像に試してみるのさ。
まずは…
「俺がやろう。」
すぱっと五枚全て取り上げられた。
イタチに。
「何で〜?私がやる!」
「いーや、俺がやる。おそらく、これがここにある最後の仏像だ。つまりは、失敗は許されないってことだ。」
む〜…。
失敗しないので!とは言えない私。
「…何で最後だって分かるのよ。」
まだあるかもしれないじゃん。
「如来十号の中で、最後にして最も尊ばれる名が仏世尊だからだ。つまり、この仏像が最後の仕掛けであることを意味する。」
…がっくし。
やってみたかったのに〜。
「分かった…。譲るよ。」
そう言ったら、困ったように笑いながらぽんぽんと頭を撫でられる。
「許せ。」
「…いいよ。」
ちょっと照れくさくって少し横を向いてしまった。
「それで?何から始めますか?」
鬼鮫さんの焦ったそうな声に、私達の意識は仏像に向かう。
「そうだな…。火から試してみるか。」
イタチは五枚の札のうち、火の文字が入った札を手にとった。