第7章 お宝探しにご同行〜
大方掘り起こしたところで、仏像を立ててみることにした。
「よい…しょっと。」
私と同じくらいの背丈はあるね。台座も含めてだけど。
さっきの衝撃の余波があったかな、と思って見て回ったけど、薄っすら傷がついただけで罅一つ入ってなかった。
「中々頑丈だなぁ。」
ぺたぺたと触っているうちに、
「んん…?」
気づいたことがあった。
「鉄でも混じってる…?」
って思うくらいは、感触がいつもと違う。
「鉄…?」
イタチは、仏像を撫でながら感触を確かめてるみたいだけど、分からないみたい。
「いつも触ってる物となんとなく感触が違うんだよね。」
岩を普段から使う私だから気づく僅かな差…とでも言うべきか?
「どうして、この仏像だけ硬くしたのかな?」
「そんなもの、一緒に割れたら困るからじゃないですか?」
鬼鮫さんが「何を当たり前なことを」と肩をすくめるのを横目に、首を捻った。
「そりゃあね…、それもあるんでしょうけど…。」
何だか腑に落ちない。
本当にそれだけなんだろうか、と。
例えば、ただ掘り起こしてほしいのなら、ここまで頑丈にしなくてもいいんじゃないかな。
岩との間に緩衝材でも挟めばいいんだし。
寧ろ、みっちり岩で覆わなくてもいいわけだ。
それに、完全に隠したいわけじゃなくて、見つけてほしくてここを作ったんじゃないかと思うの。
なのにまるで完全に隠すように覆う必要はない気がするんだよ。
「あれ…?」
そういえば割る前の岩の状態って、小籠包みたいに包まれた跡があったよね。
ってことは。
これを作った人は、少なくとも土遁が使える。そして忍遁を使えるのは、その名の通り忍だけ。
そうすると、忍だけが使えるものが隠されてる…なんてことはないかな。