第7章 お宝探しにご同行〜
私は試しに岩に手を当てて、中身を透視する為、エコーをかける。
やっぱりどこまで視ても岩は岩。
だったらあとは試すっきゃない。
すぅ、ふぅぅ…。
深呼吸して気持ちを整えて拳を岩球にすっと当てる。
そして、体内でチャクラを練り上げ、拳を中心に右腕に集中させる。
壁を押した時の感覚を思い出して、強度を体感で計算して力を調整する。
「…いきます。」
せーのっ!!
「どりゃ!!」
ピシっ…!ピシピシ…
放射線状に無数に亀裂が入り、それは波紋の様に広がりながら時には重なり合いながら、岩球全体に広がっていく。
やがて、ピシピシという音がぎしっぎしっという軋み音に変化する。
試しに背中を叩く様にぽんと叩いてみると、ドミノ倒しみたいにボロボロボロっと岩が粉々に砕けていく。
それを見守っていると…。
「…イタチさんの読み通りでしたね。」
砂に埋まった様な何かの頭が見える。
今までからすると、また仏像かしら。
ぽんぽん、と肩を叩かれそちらを向くと、イタチが優しげな眼差しを向けていた。
私は内心でほっと胸を撫で下ろす。
嬉しいな…。
イタチの期待に応えられた。
ふふっ。たまには頼られるのも悪くないね。
私はまた目の前の残骸を見る。
“中身”には大小様々な岩や砂がゴロゴロと積み重なっている。
その石を一つずつぽいぽいっと退かし捨てていくんだけど、いかせん量が多い。
地道な作業になりそうね。