第7章 お宝探しにご同行〜
おそるおそる入っていく私の後に、イタチと鬼鮫さんが続く。
…あれ。よく考えたら、ここは男性陣に先に行ってもらうべきだったような…?
まぁ、いいか。
中に入ると、床と天井がなだらかなカーブを描いている不思議な空間で、さっき押し出した壁らしき球体が中央に鎮座している。
もしかして、また謎解きなのかしら。
コツン、コツン、コツン…
すっごく音が反響する。
乱反射してるみたい。
私達は自然と転がった壁…もとい岩の球体の側に寄る。
私の背丈の倍…は言い過ぎかしら?
でも結構な角度で見上げるくらいはある。
うわー、よく動かせたな、自分…。
一人感心しながら唖然と佇んでいたら、イタチの声がかかった。
「エニシ、ここを見てみろ。」
私はイタチの隣に立ち、視線を追う。
鬼鮫さんも同じくイタチの隣に並ぶ。
「…これ何だろ?」
何かを包み込んだ跡みたいな、小籠包の皺みたいなのがあった。もちろん、小麦生地じゃなくて岩だけどね。
「何となく、これ生地を伸ばすみたいに開けそうじゃない?」
それくらい、生々しくリアルなのよ。
「やってみたらいいんじゃないですか?」
「え。」
これを?
疑問に思いながら鬼鮫さんを見上げると、意地悪そうな笑みを浮かべてる。
「いやー、流石にこれは無理です。」
絶対答え分かってて言ってるよね?
「”やってみなけりゃ、分からない”んでしょう?」
「それはあくまで打つ手がない時です!これをびよーんって開くとか無理ですから。普通の岩ですから!」
「くっくっ。」
ったく、もー!!