第7章 お宝探しにご同行〜
「どうします?」
「そうだな…。」
鬼鮫さんの問いにイタチは難しい顔をして、目の前を見据える。
「単純にさ、ここの切れ目に切り込み入れて壁を押してみるとか?」
退かせばいいじゃん?
そう思ったんだけど、何故か二人に呆れ顔を向けられた。
「見た目通り単純ですねぇ、あなたは。」
鬼鮫さんに至っては、やれやれと首を振る始末。
ちょっとカチンとくると思わない?
「人の力でどうにかできるとは思えませんが?」
「試してみればいいんでしょ。」
物事はね、試してなんぼなのよ。
ふんっ、と鼻息荒く少し腕まくりをし、私は溶接部(?)に手を当て、パキリパキリと切り込みを入れていく。
「…出来るのか?」
イタチの半信半疑の様子に、ちょっとムッとしながらも答える。
「あのねぇ、物事は”やってみなけりゃ、わからない”のよ。」
そう返すと、イタチは何故か少し目を見開いてから、ふっと笑った。
「そうか。」
「そうよ。」
そう答えると、私は両手にチャクラを集中させる。
すー、ふー…。
深呼吸。これ大事。
「…よし。」
私は目の前の壁に手を当てると、一気に力を入れて押し倒しにかかった。
ミシミシミシ…
ピシピシピシ…
お、意外に動くじゃん。
んじゃ、もう一踏ん張り。
ふんっっ!!
さっきより力を入れて、壁を押し倒すべく力を入れる。
すると。
ガコン、ゴロンゴロン、
ゴロゴロゴロゴロ…
「…えっ。」
思ってたんと違う。
ゴロゴロガコン!!
最終的に、壁は転がって何かに嵌ったらしい。
っていうか、壁が転がるって何事…?
「そんなことある…?」
ぽつん…と私の声がやけに響いた。