第7章 お宝探しにご同行〜
さて、最奥に着いたはいいんだけど…。
「…行き止まりですねぇ。」
見立て通りやっぱり行き止まりになってた。
でも、こんだけ罠が張り巡らされてるんなら、何かしらの仕掛けはあっていいと思うんだわ。
「…切れ目があるな。」
イタチは行き止まりのふちを眺めながら腕を組んでいた。
「切れ目?」
どこに?
目をきょろきょろと動かして切れ目を探すもそれらしきものは見当たらない。
すると、イタチが動き出したのが視界の隅に映る。
彼はすたすたと歩いて手前の壁の端に指を這わせると、すっと動かしていく。
「ここだ。」
イタチの指先を追うものの、いまいちピンと来ない。
確かに、見ようによっちゃあ、溶接した跡みたいにふっくら縁取られていると見れなくはないけど…。
「…あれ?」
ふと、私はある事に気がついた。
今まで歩いてきた道は、トンネルの様に外側にふっくらと膨らんでいる様な造りだったのに対し、目の前の行き止まりは内側にふっくら膨れている。まるで外側から丸い何かで蓋をした様な…?
「気づいたか?」
イタチの言葉に、私は曖昧に頷く。
「たぶん…?」
「なんとも頼りないですねぇ。」
鬼鮫さんの茶々に私は肩をすくめる。
「って言われてもねぇ。単に、そこだけ造りが違うから”切れ目”なのかな?って思っただけなので。」
「造りが違う?」
「ここまでの道のりは外側に丸いでしょ?でも、ここは内側に丸いんですよ。」
鬼鮫さんに説明すると、彼はふむ、と腕を組みながら顎を指で摩り、しげしげと辺りを見回す。
「…確かに一理ありますねぇ。」
「でしょ?でも切れ目らしい切れ目がないから…」
「たぶん、ですか。」
言葉尻を取った鬼鮫さんに、私はこくんと頷く。
「悪くはない見方だな。」
イタチはそう評した。