第7章 お宝探しにご同行〜
でもね、結果的には好きに遊び回らないで良かったと思った。
だってね…。
「ふぎゃっ!!」
片足だけ落ちる落とし穴や、
「うぉわっ!」
いきなり落ちてくる矢や、
「はっくしょんっ!!」
胡椒爆弾っぽい物に当たるなどなど。
私ばっかりが罠に嵌まるの。
前を歩いてる二人は何ともないんだよ。
しかもね、一つ一つがしょうもないっていうか何ていうか…。まるで悪戯に引っかかった様な悔しさがあるの。
「うるさいですねぇ。」
おまけに鬼鮫さんには小言を言われる始末。
とほほ…。
「もしかして、見えてないのか?」
イタチが心配そうにこちらを振り返った。
視力の事言ってるんだろうけど、全然へーき。
落ちることもあるけど、自力で治せるから問題なし。
「大丈夫、見えてるよ。たぶん、大きな罠を避けようとして小さい罠に嵌ってるって感じだと思う。」
そう。写輪眼で危なそうなものは回避できてるんだけど、それ以外がどうもねー。
結局のところ、よく見ろって話なんだよね。
私の言葉にイタチは少し笑った。
「お前らしいな。」
そう言って差し出された手。
え…?
「ほら。」
引いてくれるってことなのかな…。
「あ、りがと…。」
照れくさいけど「いいよ」って断りたくもなかった。
私がそっと手を重ねるとしっかりと包まれた。
骨ばった大きい手。
小さい頃とは全然違う…。
私より少し冷たくて、少し硬い。
ふふっ。なんだか変な感じ。
「…見ていられませんね、全く…。」
鬼鮫さんがぼそっと言ってたのが何となく耳に届いた。
「俺の動きを見ていろ。」
歩き出したイタチの動きを、注意深く見ながら真似ていく。
右…、左…、大きく跨いで真っ直ぐ…
大きな罠も小さな罠も、イタチは綺麗に避けていく。
昔から真似だけは得意な私は、手を引かれるままに流れに沿って避けていった。
うん…。
段々と読める様になってきた。
時々罠に掛かる事もあったけど、断然減った。
それに気づいたイタチが少し振り返り、そっと笑う。
「ありがとね。」
私は小さな声でそっと返した。