第7章 お宝探しにご同行〜
「派手にやりますね。」
エニシは、上へ下へと追ってくる蔦を端から焼いていく。
“蛮行には鉄槌を”。
これは、おそらくエニシが仏像を見るために、絡まった蔦を焼いたことから起こった事だろう。
蔦が襲いかかることが”鉄槌”なのか。それとも襲いかかる蔦を焼き払うことが”蛮行”なのか。
―ここまできたら蔦が止まるまで待つしかないだろう。
既にエニシが大部分を焼き払って、辺りの見通しが良い。
―だから石橋を叩いて渡ればいいものを。
呆れる状況なのだが、少し笑いが込み上げてきた。
エニシには悪いが、昔を思い起こさせて何とも懐かしく思う。
エニシがちょっとしたドジを踏むと、シスイがやれやれと助け起こしながらちくりと小言を言い、彼女は少しムスッとしながらそれに答えて…。
イタチもエニシに手を貸したり、知恵を貸したり…。
不意にちくっと胸が痛んだ。
この痛みはエニシといる事で起こるものだとイタチは理解している。
それを覚悟の上で、エニシの治療を受けると決めた。
―今だけ…。今だけだ…。
イタチは言い聞かせて、その痛みを呑み込んだ。