第7章 お宝探しにご同行〜
ズボっ!!
「あ、れ…?」
出れた…?
っていうか抱き上げられてる?
「何やってるんですか、あなたは。」
言ってから地面に降ろされた。
後ろを見上げるとやっぱり鬼鮫さんだった。
助かったぁ〜…。
「ありがとうございます…。」
出れなくなる所だった…。
「さて。気を取り直して、と…。」
落とし穴があるんじゃ迂闊に歩き回れないね。
私はもう一度狐火の印を組む。
しゅぼしゅぼっ
小気味良い音と共に三つの火の玉が出る。
それを足元にあった像に当てて、巻きついた蔦を焼きいていく。
すると綺麗に燃え落ちて、思った通り小さい仏像が出てきた。
開いた大きなハスの花に乗ったお釈迦様みたい。
後光をイメージしたような唐草の彫刻を背負っている。
何か書いてないかな…。
ざわざわざわ…
不意に不穏な音を耳が拾う。
何かが蠢くような這うような不気味な音。
がさがさがさ…
近くからも聞こえてくる。
「…何の音ですかね…?」
「…さぁ、何とも…。」
そらゃ知らないよね。
写輪眼で見ても何かが蠢いてる所しか見えない。
正体は何なのって思っていたら、突然足元の蔦が生き物の様にうねって絡みついてきた。
ひいぃぃぃ!!!
「……っ!!」
…人間、あまりの恐怖には声も出せないものなのね。
怖いし気持ち悪いし不気味だしで、もうやってられない!!
「エニシ!!」
イタチの声が聞こえて横を振り向くと、すぐ傍まで駆け寄って来てくれてた。
「イタチ!!」
懸命に手を伸ばすも、なんせ足が全く動かないからどうにもならない。
もうちょっとで手が届くってところで、縦横無尽に伸びてきた蔦に手も体も絡め取られて宙に浮く。
雁字搦めになって捕まったことだけは分かった。