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もう一度、を叶えるために。second

第7章 お宝探しにご同行〜



「…これか?」

イタチの声と共にカチリと音が聞こえる。
すると、ガコンという音と共にすぐ上の段の火が灯る。
で、ガコンとまた音がして、その次の段の蝋燭が灯る。
そうして、火が灯ってはガコンと音がして…の繰り返しで全部の蝋燭が灯る。

「わあ〜…。壮観だねぇ…。」

最奥の香炉にも火が入ると、思った通り。
半透明のガラスだったらしく、ほんわか優しい光が広がった。
ガラスに彫られた繊細な蓮の花がとっても綺麗。
はあ〜…。
それにしてもいい匂い。
普段香水を好まない私でも、この匂いは凄くいい。
何を調合したらこんないい香りができるんだろう。

「いい匂いだよね、これ。」

誰ともなく聞くと、

「そう、だな…。」

「私はちょっと…。」

二人はそうでもなかったらしい。
うそん。

「悪くはないが好きでもないと言ったところだ。」

「私はお香は好みません。」

「そっかぁ〜…。」

共感したかった…。


ガコン…


んん?

「…今何か鳴ったよね。」

二人を見ると、雰囲気が固くなっていて、若干警戒している様だった。

「あぁ…。」

「鳴りましたね。」


ガコン…


「また…。」

何の音?


ガコン、ガコン、ガコン、…


今度は一斉にあちらこちらから鳴り始めた。
これはさすがに怖い。
写輪眼に切り替えて音の正体を探る。
けれども、ふわふわっと細長い雲の様なエネルギーが動いてるところは見えるんだけど、このドーム全体を覆う音の正体が見えない。

「うわっ!」

足元まで動いてる!
蔦の下を石がぐるぐると動いてる感じがするの。
急に抜けたりしないよね…?

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