第7章 お宝探しにご同行〜
また香炉の所まで戻ってくると、私はランタンのカバーを外した。
「いきます…。」
二人の顔を見てから、恐る恐る一番手前の蝋燭に火を分ける。
が…。
「あれ、なかなか付かない…。」
んん?
湿気てるのかな。
私が縦や横から分火しようと頑張ってると、しゅぼっという音がして隣の蝋燭に火が付いた。
見ると、イタチが小さな火の玉を蝋燭の芯に被せていて、離すと火が灯る。
「えぇ〜…。」
どきどきしながら頑張った私って…。
「あなたも火遁使えるんでしょう?早くしてください。」
「へーい…。」
鬼鮫さんったら人使いが荒いわ…。
さておき、狐火でいいかしら。
印を組んで…。
しゅぼっと一つ火の玉を出すと、イタチとは反対方向へと蝋燭を順に付けていく。
最後の一つが灯ると、ぐるりと一周綺麗に灯って、辺りが少し明るくなる。
ちょっといい匂いなのは蝋燭に香りを練り込んでるからなのかな。
「これで終わりですか?」
鬼鮫さんと同じことを私も思っていた。
何もないなんてちょっとおかしいとも思う。
「もしかして全部の蝋燭に火をつけなきゃダメなのかな…?」
全部っていうと結構骨の折れる作業だよね。
段々に蝋燭がぎっしり置いてある上に、幅も大きい。
奥の方とか手を伸ばしても届かないし。ここ脚立みたいなのもないし。