第7章 お宝探しにご同行〜
下にあったのは、これまた複雑な彫刻の巨大香炉。
そして、やっぱり蔦みたいなのが下にはぎっしり這ってるのに香炉は綺麗なまま。
高さは上にあった仏像より大きい。
段々になってるホールケーキみたい。蝋燭がぎっしり並んでる。
一際目を引くのが中央の香炉。
灯篭みたいなかんじになってて、半透明な石壁に囲われてるから、灯したら綺麗だろうな。
「…付けてみる?」
「軽はずみな事はしないでください。」
鬼鮫さんにぴしゃりと言われてしまう。
ちぇっ。
「エニシ、ランタンを貸してくれ。」
イタチは私の反対側にいてしゃがみ込んでいた。
私も回って見てみると、行書の様な文字で何やら書かれてる。
「イタチ、読めそう?」
困った時のドラえもん、ならぬイタチ。
「”灯火照らす如来、指し示す光、希望へと辿る導べ”…とあるな。」
…ほんまによう読めますなあ。
普通は無茶振りするなよ、って返すものだよ。
「上の仏像にも何か書いてあるのですかね?」
鬼鮫さんが上を向きながら言う。
確かに、ここに書かれてるなら向こうにも書かれてそう。
「もう一回上がりますか。」
私はうきうきと立ち上がり、先頭を歩き出した。