第7章 お宝探しにご同行〜
「すみません。中の全体像を調べてました。この中はドーム状になってて、上の方と下の方に何かが置いてありますね。入り口から入ってすぐに足場が無くなるから、普通の人は入れなかったんじゃないかなって思います。」
エコーだと、今立ってる所が球体の天井部分で、例えるなら巨大風船の口にいるようなもの。
その巨大風船の中に、ぼこっと生える様に何かがある。
「ただ…。もうちょっと入り口が広ければいいんですけどね…。」
ちょっとリスキーだけど広げちゃおうか?
岩肌にチャクラをある程度流して意識を重ねた。
そうすると、イメージ通りに入り口が広くなっていく。
「変なところで器用ですね。」
「変は余計ですー。」
とりあえずは中の変化はなさそうで一安心。
…ほら、よくありそうじゃん?
ちょっと動かしただけで罠発動、みたいな。
そういうのは全く無かったってこと。
「んじゃ、入りますか。」
私は岩壁に足をつけて逆さになる。
「…何故逆さに?」
「この先って、天井になってるんで下から行くより早いと思いますよ。」
二人は想像がつかないのか、顔を見合わせる。
「入ってみると分かりますよ。」
一歩足を踏み入れると、蔦らしき植物が岩壁をぎっしりと覆っている。
…なんか動き出しそうでやだな。
「こうなってるのか…。」
イタチの声に振り向くと、二人とも入ってきていた。
「変な造りだよね。」
私は歩きながら答える。
逆さだから、ランタンも逆さに持たなきゃならなくて、錯覚起こしそうでちょっと怖い。
気を抜かない様にしなきゃ。
「確かここら辺に…。」
あったあった。
「これ何だろ?」
高さは私の背丈よりかは幾分小さいけど、台座の部分がかなり大きくて高いから置物としては大きい部類になると思う。
そして、複雑な彫刻の施された…
「…仏像、ですか?」
「やっぱり?」
ってことはこの周りの細かーい彫刻はハスの花か何か?
唐草模様より更に複雑で繊細。
触り心地は滑らかでつるつる。
コーティングか何かがされてるのかな?
「これだけ蔦が這っていて、この仏像だけは避けて通るなんて可笑しなものだな。」
「確かに。」
ここだけ蔦が絡まないなんて変なの。
「下には何があるんでしょうね。」
「行ってみるか。」
「よし、見に行こう。」
♪何が出るかな?