第7章 お宝探しにご同行〜
鬱蒼と茂った草むらに隠れる様にしてその洞窟はあった。
洞窟というよりは穴倉って言ったほうがしっくりくるくらいには入り口が小さい。
「これって、鬼鮫さんぎりぎり入れるか入れないかってところじゃないですか?」
幅が狭いし高さは小さい。
トンネルみたいに少し道みたいなのが設けられてるせいで余計に入りづらい。
確かランタンがあった様な…。
私はリュックを置いて中をガサゴソと探る。そして、目当ての物を取り出すとスイッチをパチっと付けた。
「随分と便利な物をお持ちで…。」
鬼鮫さんがしげしげと見る。
このタイプは珍しいかもね。
前に露店で買った物で、雷遁を併合したカラクリなのだ。
小さな火打石が先端にあって、雷遁のチャクラ石で火種を増幅させて着火する。そして、オイルはスイッチを押すと同時にタンクの口が開くから、そのまま蝋燭の様に火が付く仕組みだ。
「いいでしょう?掘り出し物です。」
いい値段したけど、買って損はなかった。
私はそれを持つと、入り口から顔だけを入れてみる。
「…何これ。」
足元を照らすと、そこには床はない。
知らずに足を踏み入れたら真っ逆さまだ。
ちょっと造り方が汚い気がする。
周りはどうかというと、どでかい丸い球体の中みたいになってるの。
暗くて見えづらいけど、床らしい床が見当たらない気がする。
私は一旦顔を引っ込めた。そして、写輪眼に切り替えて印を組み、岩肌に手を当てる。
“円”の延長の様な術で、私のオリジナル。
岩壁に沿って薄く広くチャクラを塗り広げる様にして展開させて、見えない所の凹凸だったりを感知して全容を探るの。
私はこの術を普段医術に使ってるから、エコーって呼んでる。
「何してるんですか?」
鬼鮫さんは焦ったそうに組んだ腕を指でとんとんと叩いていた。