第7章 お宝探しにご同行〜
宿を引き払って荷物を纏める。
何気に私が一番荷物多いかも…。
パンパンの大きなリュックが結構目を引く。
たくさん作った兵糧丸が一番嵩張るし、そこに収納に使ってる巻物や医療グッズの巻物、今日買った薬草やら武器やらを詰めると結構な量になるのだ。
「…その荷物持っていくのですか?」
そんな嫌そうに言わないでくださいよ、鬼鮫さん。
「全部必要なんで、持っていきます。」
置いてけって言われても手放せない。
「後で泣きを見ても知りませんよ。」
「そしたら二人に分けるんで持ってください。」
にぱっと笑うと、益々嫌そうにされた。
「…私は持ちませんよ。」
「まぁそう言わずに。これの7割は兵糧丸ですから。」
そう言ったら、ほう、と目つきが変わる。
「仕方ないですね。兵糧丸だけは持ってあげましょう。」
胃袋ゲットだぜ!(笑)
「イタチもよろしくね。」
「しょうがない奴だな。」
“嫌いではない”って前に言ってたのって本当だったんだね。
こうやって少し困った様に優しく笑うのを見ると、さっきの鬼鮫さんの言葉がちょっと信じられるかも。
…まぁ、同族で何となくの事情を知ってるから気にかけてるって線もあるけど。
でも、少なくても嫌われてはない事が分かってちょっと嬉しい。
「随分と嬉しそうですねぇ。」
鬼鮫さんの揶揄もちっとも気にならない程には浮かれてる。
「嬉しいですから。」
るんるんで返したら何故かやれやれと首を振る。
「…鈍感、なんですかねぇ。」
「いや、どちらかというと敏感な方なんですが…。」
感覚もだけど、痛みには特に。
そう答えたら、
「そういうことを言ってるんじゃありません。」
しまいには、はあ…、とため息つかれた。
「…さっぱりわからん…。」
私は首を捻りながら、鬼鮫さんの後をイタチと追った。