第6章 逃がさないんだから…!
「…えっと、お話中すみません。エニシさんが見当たらなくて…。知りませんか?」
その言葉に、イタチと鬼鮫はちらっと顔を見合わせた。
「リニ達と茶の話をしていたのではないのか?」
イタチは、先程別れたきりエニシとは会っていない。
「えぇ、してました。けど、エニシさんは途中で眠くなったと言って部屋に戻ったんです。茶葉を届けようと思って後から尋ねたんですが誰もいなくて…。」
おかしいなぁ、とリニは困惑気味に頬を少し掻く。
「外にもいないみたいですし…。どこに行ったんでしょうか。」
イタチの中に嫌な予感が湧き起こる。
エニシが黙ったまま姿を消すとは考えられない。
寧ろ、彼女はイタチに張り付いていたい筈だ。
何としても治療をしたいのだから。
「…そう言えば。奴ら、大きな袋に入った荷物を抱えていたんですよね。」
鬼鮫は何気なく言う。
だが、イタチはそれで確信した。
「まさかとは思いますが…、あの子ですか。」
「そうとしか考えられない。」
イタチは額に手を当て、鬼鮫はため息をつく。
忍がこうもあっさり捕まるのはいかがなものか。
「でも、どうやって捕まえたのでしょう…?」
リニは困惑気味に首を捻る。
エニシは写輪眼の持ち主だ。
抵抗することもなくあっさりと捕まるなんて考えられない。