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もう一度、を叶えるために。second

第6章 逃がさないんだから…!





「イタチさん、どうやら動いた様ですよ。」

鬼鮫は窓辺に座って外を眺めていたイタチに呼びかけた。
彼はそれを受けて、すっと立ち上がる。

「…行くぞ。」

「えぇ。」

二人は部屋を出た。



「どういう、ことだ?」

ルキは困惑しながらも聞き返した。

「どうもこうも、あなた方の中にスパイがいると言っているんですよ。名前は確か…。」

「…ネイだ。特徴を聞くとあいつしか考えられない。」

「ついて行った人はよく見えませんでしたがね。」

「まだいるのか…。」

ルキは頭を抱える。
確かに戦況を変える為に、藁にもすがる思いで暁を頼ったのだが、それはあくまで村の皆が一致団結がしていることが大前提である。

だが。
裏切り者がネイであるならば、この戦争の始まりにも疑念が生じることになる。
そもそも、ネイが外との繋ぎ役を買って出ていたのだ。
ネイの対応いかんで、幾らでもやりようがあるのでは、と勘ぐりたくもなる。

「この情報をどうするのかは、お前次第だ。」

イタチはぐったりと項垂れるルキに静かに言うと、彼はぐっと身を起こした。

「…こうしている間にも奇襲を仕掛けられるかも、攻撃の算段をしているかもしれない。早急に手を打つ。」

「その方がいいでしょうね。昼間立てた作戦も練り直した方が賢明でしょう。」

鬼鮫は淡々と述べる。

「我々の仕事は前線を押し戻すことです。ここからはあなた方だけでどうにかしてください。」

鬼鮫の言葉にルキは頷きを返す。
そして、イタチが立ち上がったところに、コンコンという壁をノックする音と共に、リニが現れた。

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