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もう一度、を叶えるために。second

第6章 逃がさないんだから…!



悲鳴を頼りに、二人は探りながらも迷いなく足を進めていく。

『た、たすけ…!がっ…!』

悲鳴がはっきりと聞こえ始めた。

「…一人らしいな。」

「あの奥を曲がった先だ。」

サソリとデイダラは小声で話しながら、足音を消してそっと近づいていった。

入り口近くに着くと、人影が一つ。
女の様だった。
周りにはぴくりとも動かない人影があちらこちらに散らかっている。
二人は身を潜めて様子を見ていると、女は何やら印を組んで岩壁に手を当てる。
すると、鋭い視線を向けられたかの様な錯覚を覚えた。

「「……!」」

二人が身構えると同時に女はばっと勢いよく振り向いた。

「誰?」

至って冷静な声は、どこか冷え冷えと響き、聞く者が聞けば震え上がるだろう殺気を含んでいる。

「”あなた達”も関係者?」

この言葉に、サソリは舌打ちをする。
こちらが”複数人”である事を読まれていることから、先ほど感じた視線は勘違いではないだろう。
おそらくは感知型の術だったのだ。

「…デイダラ。」

「おうよ。」

二人はすっと入り口に立つ。
すると、女の容貌が目に入り息を呑んだ。

「「……!」」

赤々と灯る写輪眼に二人の警戒は一気に高まる。
だが、女は応じる事なく、只々顔を顰めていた。

「まさか、ここでうちは一族に会うとはな!」

デイダラは目を爛々と光らせて、攻撃体制に入った。
宿敵と定めたイタチの一族に出会したのだ。
これが黙っていられようか。

「一体くらいはコレクションに加えてもいいだろう。」

サソリはニヤリと笑い、巻物からカラクリを取り出す。
それを見て、女は長いため息をつくとホルダーからクナイを二本引き抜いた。

「…面倒だわ…。」

構えを取ると、写輪眼の模様が僅かに変化する。

「イタチと同じタイプか。」

「いいぜ!吠え面かかせてやる!」

三人は一斉に地を蹴った。

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