第6章 逃がさないんだから…!
喉が渇くし、体は益々力が入らない。
ふわふわと頭は軽くなるし、気持ちが良くなる。
これって麻薬の一種?
それもあれだ。
少し前に流行ったやつ。
強い常習性があって、クスリが切れると酷い幻覚を起こすんだとか。
とんでもないもの入れてくれたじゃない…。
誰も居なさそうだし、そろそろ解毒を始めちゃおう。
まずは意識を集中して、後ろ手に縛られた縄抜けを…。
よし、クリア。
岩でクナイ擬きを作って、と。
うぅ、痛そう。
それをえいや!と一思いに突き刺した。
「いったぁ〜…。」
それをまた一思いに引っこ抜く。
傷口を作らないと毒抜きが出来ないの。
注射器の跡なんて傷の内に入らないし。
んで、お次は。
両手に意識を集中してチャクラを溜めて心臓へ。
「うぅ…、くらくらする…。」
クスリのせいで手が覚束ない。
でも泣き言言ってられる状況でもない。
早く抜かないと、後が面倒だ。
心臓の動脈と静脈に繋いで回ってくる毒を纏める。
それを静脈に乗せて手の平から抜いていく。
いつも以上に時間がかかるわ…。
びちゃ、びちゃ、と抜いた毒を放り投げて捨てていくと、結構な水の量になる。
うわー、脱水になりそう。
大方取り終わったところで、写輪眼にチェンジ。
全身のチャクラを感知する様に意識を集中させて、末端の血管や細胞に浸透したクスリを抜いていく。
こんなもんかな…。
「疲れた…。」
ぐったりとしながらも、念の為さっきの体制に戻して体を休めた。