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もう一度、を叶えるために。second

第6章 逃がさないんだから…!





ぴちゃん…

ぴちゃん…


何だろ…。
空気が湿ってる…。


びちゃ、びちゃ、びちゃ…


水溜まりを踏み歩く音…?
近づいてくる…。

起きなきゃ、と思って薄ら目を開けると、最初に鉄格子がぼんやりと見えた。

「起きたか。」

冷たく響く、知らない男の声。

「うちはなんて大したことないものだな。こうも呆気なく捕まるとは。」

捕まる…?
そういえば体がうまく動かせない…。

「今頃気づいたのか。最早、逃げたくても体が痺れて動けないだろう。」

そう言いながら、男は鉄格子の鍵をガチャガチャと開けて入ってくる。
逃げようと踠いても縄抜けさえ出来なかった。
いつもだったら何でもないことがままならない。
その間にも男は目の前でしゃがみ込む。

「無駄な足掻きだ。」

がしっと顎を掴まれ、乱暴に向きを変えられた。
見たことある顔だ。
ルキさんの近くにいた人…?
どういうこと?

「思い出した様だな。これからは俺の指示に従ってもらう。」

何か取り出した…?
と思ったら、ちくりと腕に刺さった。

「ぐっ…!」

最悪…。
何か入れられた。

「これでお前は一生俺の下僕になる。」

ニィっと嗤った顔の、まぁ気持ち悪いこと。
男は嬉しそうにその場を去っていった。

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