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もう一度、を叶えるために。second

第6章 逃がさないんだから…!




「――これはこの村で作られるこの薬草を煎じて作られるお茶です。茶葉はーー」

へぇ、興味深い。
そもそもこの薬草はこの地域でしか採れない希少なもの。
その価値をこの人達は知らないみたい。
色は赤銅色よりも茶色より。
もうちょっと製法を工夫すれば、赤みが強く出て綺麗な色合いになりそう。
味は渋みが緑茶と比べると強いかな。
でも何より特徴的なのが独特の香り。
すっと鼻に抜けるこの香りが、好きな人はきっと病み付きになる。
私は好きだな。

「ここら辺はご覧の通り水が貴重で、飲み水は雨水を溜めて濾過してから使います。そうするとどうしても味も気になりますし、保存もしておけません。」

「それでお酒やお茶にして保存しやすくする、と。」

お酒なんかは度数が高いほど、長く保存できるしね。

「そうです。お茶も渋みを強く出すことで、その渋みが保存に最適となります。」

「そうなんですか!」

この渋みはあえてやってるんだ!

「飲む時は、別の薬草を一緒に煎じて煮出すと渋みが和らぎます。」

「ほうほう!」

なんと!そんな薬草が!

「こちらがそうです。これは採れる場所が少し特殊でしてーー」

おもしろーい!




「はぁ〜、面白かった。」

他にも種類があって、そっちの方の煎じ方だったり製法だったりを教えてもらった。
ご当地ならではグルメってめちゃくちゃ面白い。
その土地でしか採れないし、過程も風土を生かしたものだし。
だから薬草だけ持って帰って、っていうのは出来ないから尚のこと希少だ。
これを薬膳茶として街に売り込んだら売れると思うんだ。
まぁ、それは戦争が落ち着かないとどうにもならないだろうけど。

つらつらと考えながら割り当てられた部屋へ行き、ベッドにごろん。
なんだか速攻でうとうとしてきましたよ。
今日はよく眠れそう…。


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