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もう一度、を叶えるために。second

第6章 逃がさないんだから…!




適当な椅子を引っ張ってくると、リニさんをまず座らせた。
そして、彼に合掌をするよう指示を出して、リラックスしてもらう。

「ゆっくり息を吐いて、吸ってー、吐いてー…。いきます。」

リニさんの背中に手を当てて、自分のチャクラを入れる。
次いでリニさんのチャクラに絡み付かせると、循環させる様に右手、右腕、左腕、左手…と流していく。
これで合掌をした両手からチャクラの流れが感じられる筈。

「…流れてる…。暖かい気が手から手へ流れてます。」

「今度はそれを両手で溜めてみましょう。」

リニさんに指示を出しながら、私は彼のチャクラを両手に集める。

「溜まっている感覚がありますか?」

「あります。」

「なら、そのままの状態を維持してください。」

そういって私は徐々に自分のチャクラを引かせる。

「離します。」

見えている限りはちゃんと両手に留まってる感じがするんだけど…。

「出来た…。出来ました!」

よっしゃ!成功!

私が小さくガッツポーズを取ると、隣で見ていた鬼鮫さんが少し肩をすくめる。

「たまにはあなたも役に立ちますね。」

「いつも立ってますーだ。」

すかさず言い返しといた。

イタチは委細構う事なく、リニさんに巻物を開いて差し出す。

「試してみるか?」

その言葉にリニさんが息を呑む。
試す、ということは、辛い過去を追体験しなければならない。
私みたいに罠だったらどうしようもないけど。

リニさんは少し逡巡した後、こくりと頷いた。

「やります。」

そう言うと、両手をそのまま巻物に置いた。

「…入った?」

私は聞きながら、彼の正面へと回る。

「その様だな。」

うん、目が虚ろになって意識がないから、たぶん無事入れてると思う。

よし、待ってる間に次行ってみよう。
私はまた、空いている椅子を引っ張ってきた。

「今度は長さんがどうぞ。」

促すと、彼は苦笑しながら素直に座ってくれた。
人柄の良さそうな人だな。

「ルキでいい。」

「んじゃ、ルキさん。リラックスしてくださいね。」

「分かった。」


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