第6章 逃がさないんだから…!
「そうすると、過去を見たその先へ辿り着くための条件が足りないということなのでしょうかね。」
「条件?条件かぁ…。」
うーん…。
「一族以外に見れません的な?」
うちはの碑石が写輪眼でしか見れないみたいな。
そう思った私は、くるっと後ろを振り返る。
そこには、私達の一挙手一投足を見逃すまいと、村の人々が囲う様にひしめき合っていた。
「この中でチャクラ使える人いますか?」
単純に一族の人に入ってもらおうと思ったのだ。
けれど、村人達は互いに顔を見合わせるばかりで、困った様に黙り込んだ。
「チャクラを使えるのならば、この依頼自体がなかったんじゃないか?」
イタチの声に正面を向き直ると、鬼鮫さんも頷く。
「術が使えていれば、この戦局ならば簡単に押し戻せるでしょうね。何せ術の掛け合いがないのですから。」
「それって単純な肉弾戦って事ですか?」
「それに近いですよ。忍術を使う者がほぼいませんから。」
おおう。それはまた…。
「んん〜…。何か方法ないかなぁ…。」
忍術を使うには素質がいる。
チャクラ量もある程度多くないと。
それに、普通の人はチャクラを感知するところから始まるみたいだし。
初めから忍の素質を持ってる私達とは違うらしい。
…いや、待てよ。
手助けが出来るかも。
医療忍術の応用…っていうか私しか多分できない方法。
私は他人のチャクラを捕まえて動かすことができる。
最初にやった時は、綱手様も驚いてたっけ。
それに、この人達はチャクラを心臓に集めてチャクラ石を作れるのだ。
素質は十二分にある。
「何か思いついたのか?」
イタチに聞かれて、私は彼を見ながらにっと笑う。
「うん、思いついちゃった。ちょっと試していい?」
私は返事を待たずに、写輪眼に切り替えて村人達をざっと見回す。
何人かの人が、ずさっと後ずさったけど気にしない。
この中でチャクラが一番多いのは…。
「リニさん、長さん。ちょっと付き合ってもらえますか?」
私はにっこり笑う。
この二人が一番の適任だ。