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もう一度、を叶えるために。second

第3章 久方ぶりの里帰り1



私は、ナルトのアパートの前に立ち、コンコン、とノックする。
けれども、ナルトの返事は返ってこない。

留守だろうか?

この頃のナルトといえば、綱手様を火影様に迎える為に、自来也様の旅に同行する。
その直後に暁であるイタチの遭遇がある。

つまり自来也様は今、木の葉の里に居る事になる。

自来也様といえば覗き。

銭湯辺りを探せばいるかもしれない。
ついでに一楽にも寄ってみよう。



「さっぱりしたわね〜。」

「気持ちよかったね〜。」

きゃっきゃっと楽しそうに話ながら通り過ぎる人を横目に銭湯の周囲を回ってみる。
が、それらしき人影は見当たらない。

おかしいな。
暇してるだろう今、絶対ここら辺にいると踏んで来たのに。
まさか、望遠鏡を使って覗きをしてるんじゃなかろうか。
そしたら捜索範囲を広げなきゃならない。
ちょっと簡単な話じゃなくなってきたぞ。

「うーん…。高台を探してみようかしら。」

私はきょろきょろと遠くを見回す。
うん、あるにはあるな。
何箇所か見定めた時、

「よぉ、お嬢さん。誰かをお探しかな?」

後ろから声をかけられた。

ばっと振り向くと、肩までの髪に、頭にはすっぽりとバンダナを巻き、口に千本を咥えている男が立っていた。
この人、どっかで見たことあるような…?

「待ち人なら探すの手伝うぜ?」

にっと笑う様は、ちょっとニヒルで中々似合ってる。
…じゃなくて、何で目をつけられた?

「いえ…、間に合ってます。」

中忍以上の忍服を着ていることから、まぁまぁ実力はあると見受ける。
下手に関わり合いにはなりたくない。

「まぁ、そう言わずに。」

「いや、自分でできます。」

「そういや、自己紹介がまだだったな。俺はゲンマってんだ。あんたは?」

聞けよ。
っていうか、名前聞き覚えがあるぞ?

「…シズネ。」

ごめんなさい、シズネさん。名前お借りします。
私は心の中で手を合わせた。

私は、じりじりと後退りながら距離を空ける。

「シズネか…。どっかで聞いた名だな。」

私が下がった分、相手も踏み込んでくる。
ダメだ。埒があかない。

こういう時は…

「逃げるが勝ちよ!」

「あ、こら待て!!」

里に入って初日にマークされるとか…。
私、潜入捜査向いてないかも。

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