• テキストサイズ

もう一度、を叶えるために。second

第6章 逃がさないんだから…!





「結論として、二人ともが自分の過去だったと。」

「そうですね。少なくとも、天使なる者は出てきませんでしたね。」

「いや、マジで納得いかないんですけど。何で私だけあの訳のわからない夢なんですか?」

「知りませんよ。それだけあなたには辛い過去もないから罠でも発動したんじゃないですか?」

「益々納得いかないんですけど?私にだって涙なしでは語れない過去の一つや二つありますけど〜?」

何なんだよ、まったく。
鬼鮫さんの、まあ酷いこと酷いこと。
私にだって辛かったことの一つや二つ、三つ四つとあるっての。

「だいたい、そもそもの話からして、過去を見たなら秘術はどうだったんですか?」

私みたいに罠じゃなかったなら秘術があった筈じゃん。

「出てきませんでしたね。全くと言っていいほど何にも。本当にこれは秘術の巻物なんですかねぇ。」

鬼鮫さんは至って平然と言う。

怪しい…。

「…とか言っちゃって、ほんとは秘術ゲットしたんじゃないですか?」

手に入れても入れなくても黙ってれば分かんないじゃんね。
だからさっき、すぐに教えてくれなかったんじゃなーいの?

そしたら、鬼鮫さんは嫌そうに顔を歪めて見てきた。

「あなたは私を何だと思ってるんですかねぇ。」

「嘘が上手い人?」

何気なーく言ったら、鬼鮫さんの目が鋭くなった。
い、嫌な予感…。

「ほう?それは宣戦布告とみていいですか?」

「え!?何でそうなるの!?」

ちょっと!?まだ死にたくないんですけど!?

「とりあえず、二人とも落ち着け。」

見かねたらしいイタチが少し眉根を寄せて仲裁に入った。

「秘術だったら俺も何も掴んではいない。ただ過去の出来事を追体験しただけだ。」

「イタチも?じゃあ信憑性は高いよね。」

じゃ、何で秘術が見つからないんだろう。

鬼鮫さんは、イタチの言うことをすんなり受け入れたのが気に入らなかったのか、ジト目で私を見やりながら、まったく…とぼやく。

「それに巻物自体は秘術の巻物で間違いないだろう。」

イタチは巻物にある字を目で追いながら言う。

/ 388ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp