第6章 逃がさないんだから…!
「どうやったらあんな膨大な量制覇出来るの!?私でさえ医学部門目を通すだけでいっぱいいっぱいだったよ!?何部門あると思ってる!?」
分かんない。
マジで分かんない。
頭抱えちゃうよ!?
「そんなに驚く事でもないんじゃないか?」
困った様に言われたって、困るのはこっちだよ…。
「いやいやいや…。どう時間を使ったら出来るの?なんだったら、私より先に下忍になってるよね?時間は私よりなかったよね?」
「まぁ…。仕事の合間とかに行ってたりはしてたな。」
「いや、その隙間時間には写輪眼やら忍術やらの修行もやってたよね?」
「それには知識を得る必要もあったぞ?何も体を動かす、鍛えるだけが修行というわけでもない。」
もう、ぽかんとするしかないと思わない?
これさ、誰が張り合おうと思う?
私思えない。
鬼鮫さん、と呼びかけながら、私は彼を見上げる。
「これでもプライドうんぬん言えます?」
「言わないですね。」
ですよねー!
「分かってもらえて何よりです。」
笑うしかないレベルで天才プラス並外れた努力型なんだよね。
「当たり前に出来ることをしたまでだと思うのだが。」
きょとんとするイタチはやっぱり分かってない。
いい意味で変わってるんだよね。
天才であるが故に一般である凡才の境遇がよく分からないのよ、きっと。
それが、イタチがトラブルに巻き込まれやすい要因とも言えるのかも。
「うん、まぁ…。努力は裏切らないよね。」
すごいなぁ。
「そんな事より、内容はどうなっているんです?」
鬼鮫さんは至って興味なく、イタチを促した。
え、すごいなぁって感心しないの?普通。
イタチもイタチで、全く気にするそぶりなく巻物の紐に手をかける。
えぇ〜…
私だったら鼻高々になってそうな案件を、みんなで総スルー?
うそん。